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2023年3月1日の未来新聞

 

 

 

遠野で爆発的人気 空き家活用サテライトオフィス

  ~「リノベイズム」と「子育てイズム」がもたらしたもの~

2019年以降、岩手県遠野市でサテライトオフィスが盛んだ。特に2021年からの増加は「爆発的増加」となっている。

 

 働き方改革の一環で、従業員の地方移住や2拠点生活を福利厚生の側面から支援する企業が増える中、地方にサテライトオフィスを作るということは今や当たり前となった。企業の所在地に関わらず「働き方と住む場所は自分で選ぶ」という時代が到来しつつある。また地方各地は、サテライトオフィスの誘致に向け試行錯誤を繰り返してきた。

 そのような中、なぜ岩手県遠野市ではサテライトオフィスが爆発的に増えているのか、その裏を取材した。

 取材を進める中で聞こえてきたのが「リノベイズム」という事業が活況を呈していることだった。リノベイズムとは、遠野市に拠点を置くいずむ不動産が2018年にはじめた空き家活用推進事業だ。まず、空き家の所有者は、10年間という期間限定で空き家をいずむ不動産に貸す。いずむ不動産は同社負担で空き家をリフォームし、毎年の固定資産税額を所有者に支払いながら、賃貸物件として10年間活用する。そして10年が経過した時点で、物件を再生不動産として所有者に返すというものだ。

 空き家の扱いに困っていた所有者にとっては、10年間その家を利用できない代わりに、固定資産税の負担をすることなく、10年後にはリフォームされた再生物件が戻ってくる。いずむ不動産は、リフォームを安価に行えるという自社の強みを活かし、その他は毎年の固定資産税額を負担するだけで収益物件を手にできる。借主も、通常の田舎では探すのが難しい「リフォームされた程度の良い物件」を容易に見つけることができる。さらに町は、空き家の増加による町の衰退を免れる。三方良しを超えた、四方良しとも言えるビジネスモデルだ。

 このリノベイズムの仕組みのおかげで、遠野のサテライトオフィスは2018年から順調に増加していった。そして2021年、いずむ不動産が繰り出した新たなサービスをきっかけに、その数は爆発的な増加へとつながった。それが、元中学校教師で現在は教育コンサルタントをしている遠野Edu企画 赤坂氏と連携した「子育てイズム」サービスだ。このサービスは、都会から移住する子育て世代の懸念事項、「新しい教育環境が子どもに与える影響の問題」や「二拠点生活に伴う子どもの学校問題」を、赤坂氏が、都会と遠野、双方の小中学校の間に入ってきめ細かくサポートし軽減するというもの。この細かい配慮のおかげで、企業は「遠野にサテライトオフィスを開設すれば、子育て世代の従業員の福利厚生促進になる」とふみ、サテライトオフィスが一気に増える形となったのだ。

 東京都と遠野市の2拠点生活をしている田中さん(28)は「子供に都会だけではなく田舎に住んで自然を感じてほしいと思っていた所に、会社から遠野市にサテライトオフィスを作るから行ってくれないかと言われた。最初は子供のことを考えると懸念もあったが他にない教育環境ときめ細かなサポートによりとても良い2拠点生活をすることができている」と話す。サテライトオフィスの活用は、企業にとってもコスト削減や、都心に集中する経営機能の分散化など様々なメリットがあり、さらなる普及が見込まれる。通信環境の向上も相まって、今までほど拠点の場所を問わなくなってきている現代社会において、地方での新たな働き方や、自分らしく働くことのできる新たな社会がここ、遠野市で実現されているのだ。

                               

 

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